「水魑の如き沈むもの」三津田信三。

水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

近畿地方の農村が舞台。田を潤してくれる川の上流にある湖の神「水魑様」を祀っている。日照りや大雨のとき、4つの村の4つの神社の宮司が交代で儀式を執り行うことになっている。刀城言耶がその儀式を見学していた最中、殺人が?!
このシリーズは、もう何冊目になったのかな…(すみません、数えません。)ホラーというか怪異というか、そういう人知を越えたものとミステリーが融合した絶妙な面白さが魅力なんですが、今回は今までで一番怪異が勝っていたように思えます。つまり「なんだかわからなかったことの方が多い」。いや、ミステリーとして面白くなかったということではないんです。いつもどおり刀城言耶のターンもあって、そこではいつもどおり驚きの連続どんでん返しでした。でも結局のところ結論は「水魑様は怖ろしい」ということに尽きるんじゃないかと、思うわけです。人間があれやこれや画策しても、手に負えないものが世の中にはある、と強烈に印象づける結末だったのではないかと。
それとさあ、もう一人の主人公、正一少年のターンがとっても怖かったよ〜ん。私は何の能力も持ってなくて本当に良かったぁ(汗)。