「冥談」京極夏彦。

冥談 (幽BOOKS)

冥談 (幽BOOKS)

怪談の短編集。幽BOOKS。
それほど怖い話はなかったかな。
「怖い」のそもそもの意味を問いたくなるような、そんな感じの「遠野物語より」。理解できないもの、不可解なものが存在することが怖い?う〜ん。
昔の記憶が曖昧で、そのことが気になって、無理に思い出そうとして、次第に思い出して、思い出してみたら存外に怖いものだった…ような展開での、語り手の口調が気味悪くて、さすが描写が上手いなあ、と思いました。(「凮の橋」、「冬」、「柿」)
「予感」は、廃屋に住む住人が我が家について延々と語っていて、それがどうも屁理屈っぽくて。でも最後の最後で何が言いたかったのがよくわかる。何か怖いことがありそうな予感、それはちょっと怖いね。
読んではそれほど怖くなかったけれど、プロモーション映像は怖がらせる気満々で面白い。