「海猫ツリーハウス」木村友祐。

海猫ツリーハウス

海猫ツリーハウス

服飾デザイナーになりたい地方在住の青年。専門学校に通っていたけれど人間関係に失敗して挫折、逃げるように実家に戻り家業の農業の手伝いをしつつ、ツリーハウスを作り続ける地元のクリエイター(らしき人?)の手伝いもしている。そこに自由奔放な兄が帰ってきて…。


第33回すばる文学賞受賞作。
見通しの甘い兄も兄だが、ドリーマーで人の後を追ってばかりの弟も弟。他人なら見てみぬフリもできるが、兄弟は近すぎてちょっとのことも看過できないからつらいよね、うんうん。
そして周囲の人たちとの関係はというと、アーチストと呼んでもてはやしてる人物でもやっぱりただの人間で、実は狭量だったり俗っぽかったりする現実。まあ、そういうのもある意味普通のことなんだけどなあ…不器用な人間である弟くんには酷な話ではあった。
ラストは、そこそこ爽快感があってよかった。とにかく若かった印象。若い人たちが読むと感じることも違ってくるかも。
舞台の町にかつて住んでいた関係で、そっち方面で大いに盛り上がりながら読めました。何もかもが懐かしい。ウチのプロフ写真も海猫だしwww 加工する前の写真はこんな感じ。数年前に現地で撮ったのでした。ふてぶてしい顔つきが可愛らしいわ。