「サムシングブルー」飛鳥井千砂。

サムシングブルー

サムシングブルー

2年間付き合ったイラストレーターの彼と別れた翌朝届いた結婚式の招待状。高校時代の元カレと元親友が結婚するという…。


失恋から立ち直って再び前向きに歩き出すまでの女の子物語。なかなかシビアな設定である。失恋のダメージが強烈な時に他人の結婚のお祝いなんてできるか?大人なら冠婚葬祭くらい平常心でこなせなくてどうするって気もするけど、元カレのってのはちょいと辛そうだ。普通は呼ばれないだろうが、確かに仲間ひとくくりのうち一人だけ呼ばないのは変だもんなあ…こういうこともリアルであるかもね。
高校時代の仲間が集まって新郎新婦に贈る物を相談するあたりから、主人公が執拗に失恋を引きずっている理由も段々飲み込めてきて、話が面白くなってきた。高校時代に遡っての思い出はワクワク。青春は熱かった。焼きそばパンは美味しかった。

ネガティブになって相手の狡さや卑怯なところにばかり目がいく場面はイライラ、次第に視野が広くなって立ち直っていく姿はホッとした。そして基本みんないい人なのも気持ちがいい。
予定はないけど、気の乗らなくても結婚式に呼ばれたら張り切って出かけようっと。