「ミラクル・ファミリー」柏葉幸子。

ミラクル・ファミリー (講談社文庫)

ミラクル・ファミリー (講談社文庫)

父と子のちょっと不思議なほのぼのエピソードが9つ。狸やら狐やら、民話伝承がらみ多し。
児童書にしてはお父さんが不甲斐なさすぎ(笑)なので、対象年齢は高め〜大人向け。父と子が同じ気持ちを分かち合い距離を縮める、そんな感じ。
くすっと笑える話が大多数の中、印象に残ったのは「木積み村」。
会社の同僚の息子が結婚した直後、同僚の奥さんが家を出て行ってしまったという。その息子曰く「母はキツネかもしれない…」。思いっきりネタバレなので反転しておきますが、その同僚の妻は愛想が尽きて山に帰っちゃった、で、しかも他人事のように話す父の妻も同様に実はキツネで、仕事にかこつけて家庭を顧みなかった夫への妻の結論が怖ってオチ。この話はだけは笑えなかったヨ。