「さくらの丘で」小路幸也。

さくらの丘で

さくらの丘で

祖母が亡くなって、孫娘の満ちると祖母の友人の孫たち2人に、故郷にある西洋館の土地と建物が遺された。祖母たちが少女だった頃の思い出の建物が何故祖母たちの名義になっていたのか?昔あった悲しい出来事と楽しい思い出が蘇るストーリー。


今回もみんないい人でとても優しい。
小路さんって辛い出来事をサラッと書いちゃう傾向があるような?単に暗い話が嫌いなのか(いや、それにしてはいつも重いエピソードが盛り込まれてる)、それとも、いつまでも悲しい気持ちを引きずらないで軽やかに乗り越えて前に進むべき、という意思なのか。
本作でも、超絶惨い出来事についてはほんの1行でしか語られず、殊更に重苦しい空気になるのを避けてる感じだ。文字にしなくとも辛い気持ちが伝わってくるのだけれど。それをしんみり噛みしめつつ、私は平和を祈るのだった。これは戦争反対の物語でした。