「華竜の宮」上田早夕里。
- 作者: 上田早夕里,山本ゆり繪
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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が、日々トラブルは起き、日本の外交官青澄は東奔西走していた。そして、追い討ちをかけるように、新たな災厄が訪れる予想がなされ…。
凄かった。
人はなぜ生きるのか、どう生きるべきか、色々考えさせられる内容。SFだけどファンタジー過ぎず、真に迫っていた。
欲得で行動するのも、世界の平和を目指すのも、どちらも人間らしい。ぶっちゃけ極限状態で絶望的な展開しかない場合、どちらが正解かなんて最早どうでもいい。ただ魂の命じるまま生き抜くだけでいい。主人公の青澄はその意味でとてもカッコよかった。彼とアシスタント知性体マキとの関係に熱い男の友情(もしや愛情?)が感じられてウルッときた。海上民の長ツキソメは美しかった。タイフォンは切なかった。リアルの日本の外交は本作を見習って欲しいと思った。
『魚舟・獣舟』は本作の前日譚にあたるけれど、読んでなくても問題ないね。大作でぶ厚くて、読み応えあり。大満足。