「乱反射」貫井徳郎。

乱反射

乱反射

2歳の男の子が事故で亡くなった。何故か?


男の子が亡くなるまでをカウントダウンし、亡くなった原因を突き詰めていくストーリー。
先送りしたり考えなしの行動だったり、ちょっとしたマナー違反だったり。一つ一つをみれば「ムッとする」程度の事柄が重なり合い集約して、取り返しのつかない重大な事件に発展してしまった不幸。まるでバタフライ効果?事件が起こるまでのドキドキ感が印象に残りました。事件後の展開はだいたいこんなもんなのかな〜自己弁護は醜くて、主人公の諦観は難しい。悲しい結末。
誰でも自己中心的な考えに囚われている瞬間ってあるとは思うけれど、この小説ではその点に照準を合わせた描写が延々と続くので暗澹とした気分に陥ってしまい、500ページ超を読みきるのが拷問のようでした。救いのある結末だったらよかったけど、残念ながら。。。でもそもそもどうなれば救いなのかよくわからない。
今までの人生で疚しい行動が一回もなかったとはいえない。そもそも世の中の不幸な出来事が全て因果応報ってわけじゃない。それでもこれからは出来る限り品行方正にして、将来誰かに責任を追及されることがないよう努力しようっ。ああ、なんか私ってちっちゃい。つーか、厭な人間だなっ。