「食堂かたつむり」小川糸。

食堂かたつむり

食堂かたつむり

恋人だと思っていた男にだまされて身一つの一文無しになり、あげくショックで声も出なくなってしまった主人公の倫子。10年ぶりに田舎に帰って……。
ちょっと前に話題になっていた作品、図書館で見かけたので読んでみました。
前半は夢見る乙女のファンタジーのようで、まあそれはそれでいいかなって感じ。後半、ウェデングパーティの準備あたりから倫子が力強くなって非常に面白かったです。それまでの料理色々はなんか現実味が感じられなくってピンとこなかったのだけれど、全力の豚料理一式全部実に美味しそうでした。よかった。
全体ではいまひとつまとまりがないように思えました。母娘関係の葛藤が主の話だったと思うのだけれど、それの描写に分量が割かれていないからストーリー展開が唐突過ぎた印象。