「藁にもすがる獣たち」曽根圭介。

藁にもすがる獣たち

藁にもすがる獣たち

やくざから借金をして窮地に立たされた刑事。FXに失敗して借金したのが夫にばれてからDVに苦しむ主婦。不景気で店を廃業、深夜のアルバイトをしながら痴呆症の母親の世話をする老境の元理容師。
3人の苦境と、ある大金を巡る物語。
奥田英朗ふうに悪い方へ悪い方へとストーリーは進むから気分は滅入りっぱなしでした。
が、終わりが近くなり、どいつもこいつも「にっちもさっちも」状態になったころから徐々に仕掛けが明らかになってきて、最後はちょっと「感激」。珍しい技でもないですが、予想していなかったので、満足感が得られた作品でした。
ま、読後感は悪かったですけど(苦笑)。理容師さんは気の毒でしたが、不良刑事と売春主婦は同情できなかったかな。