「マツリカ・マジョルカ」相沢沙呼。

マツリカ・マジョルカ

マツリカ・マジョルカ

あまり爽やかでない、微妙に隠微、すっきりせず後味悪い、しかし癖になりそうで続きが気になる学園ミステリーだった。
主人公は、ちょっと前まで引きこもりで、意固地なまでに卑屈な高校1年生の少年柴山祐希。マツリカはヒロインで探偵役の謎の美少女。
二人の関係は、まるで犬と女王様、まるでMとSなのだった。「サンドリヨン」のシリーズと印象を違えるためか。
そういうのを笑いにしているわけではないし、マツリカさんの挑発っぽいしぐさに柴山くんがドキドキする場面がやたら多くて、気色悪く感じる人もいるかと思われ。
ま、私はわりと好きでしたが。
4つの謎(原始人ランナウェイ/幽鬼的テレスコープ/いたずらディスガイズ/さよならメランコリア)を解明するも、どれも微妙に後味悪し。最後の話はあとに繋げるためか、若干前向きでしたか。
続編があるなら読みたいと思うものの、マツリカさんの実態が酷く悲惨なもののような予感がして、ちと怖いわ。