「箱庭旅団」朱川湊人。

箱庭旅団

箱庭旅団

朱川さんらしいホラーっぽい不思議な話が16個。味わいもさまざまバラエティがあって楽しく、短い話ばかりなので軽い気持ちで読み進めていたら、途中でリンクしていることに気づいたのだった。ああ、そういうことか、と一番最初の話の意味がわかってラストの話に到る。連載を始めたときから、こういう結末を考えていたのかな。それともやっぱり震災の後?
世の中大変なときに娯楽はいかがなものかと言われる向きがあって。いわれなくとも娯楽している気持ちの余裕もなかったのだけれど。そういうときに面白おかしく読める小説の存在意義に悩んだ作家さんも多かったんだろうな、きっと。