uminokanata2012-05-16

タツを片付けたのと、陽が高くなって1階の窓際に日光が差し込まなくなったためなのか、日中、猫が2階の私のベッドで寝るようになった。必然、夜も同じ場所で寝るのだった。
これはもう、なしくずしと言いましょう。
ああ、真っ黒でわけわからん写真になってしまうなあ。撮影者の腕が悪いのだろうけど、明るさ調整しても上手くいかない。黒い猫を撮るのって難しい。

「だれかの木琴」井上荒野。

だれかの木琴

だれかの木琴

アンソロジーの短編以外では超久しぶりの井上作品。5年ぶり?
怖かった。もう一度読もうとは思いません。
平穏で幸せな暮らしをおくっていた普通の主婦が、普通の枠から自らはみ出し変質者的な異常行為にはしってしまうお話。主人公の主婦目線の描写が中心になっていて、一見筋が通っている言い訳で異常の度合いが曖昧にされて、途中までは主婦を擁護する気持ちにさせられていた。
何が不満か、何が足りないのか。さびしいのか。そういう自分でもよくわからない感情が積もり積もって変化を求める行動なのかな、、、と。
気づくとドツボに。
ごく普通の人間でも、紙一重で普通の枠から外れることもあるのかもしれない、と思うと怖かった。
最後も全然救いなし。ぞくぞくして面白かったけど、疲れた。

「金色の獣、彼方に向かう」恒川光太郎。

金色の獣、彼方に向かう

金色の獣、彼方に向かう

中編4つ。大好きな恒川光太郎の不思議世界。面白かった。連作ではないけれど、鼬・樹海つながり。今までの作品と比べると、あっさりしてましたかね。出だしからは想像できない意外な方向にストーリーが転がってるのが面白かった。以下メモ。
「異神千夜」歴史小説・妖怪もの。元寇の時、暗躍したスパイのお話。恐ろしくも切なく悲しい。京極の巷説百物語ふうじゃなかったです?
「風天孔参り」樹海の中で、不意に現れる風天孔に入ると、消えて無くなることができる。。。孔に見せられた人の、これもまた切ないお話。
「森の神、夢に還る」森の妖精の正体は、昔、森の神である金の毛をしたイタチに……。これは美しいお話。
「金色の獣、彼方に向かう」金色の毛をした謎の小動物ルークを巡る、少年少女の悲しいお話。