「だれかの木琴」井上荒野。
- 作者: 井上荒野
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/12/09
- メディア: 単行本
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怖かった。もう一度読もうとは思いません。
平穏で幸せな暮らしをおくっていた普通の主婦が、普通の枠から自らはみ出し変質者的な異常行為にはしってしまうお話。主人公の主婦目線の描写が中心になっていて、一見筋が通っている言い訳で異常の度合いが曖昧にされて、途中までは主婦を擁護する気持ちにさせられていた。
何が不満か、何が足りないのか。さびしいのか。そういう自分でもよくわからない感情が積もり積もって変化を求める行動なのかな、、、と。
気づくとドツボに。
ごく普通の人間でも、紙一重で普通の枠から外れることもあるのかもしれない、と思うと怖かった。
最後も全然救いなし。ぞくぞくして面白かったけど、疲れた。
「金色の獣、彼方に向かう」恒川光太郎。
- 作者: 恒川光太郎
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: 単行本
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「異神千夜」歴史小説・妖怪もの。元寇の時、暗躍したスパイのお話。恐ろしくも切なく悲しい。京極の巷説百物語ふうじゃなかったです?
「風天孔参り」樹海の中で、不意に現れる風天孔に入ると、消えて無くなることができる。。。孔に見せられた人の、これもまた切ないお話。
「森の神、夢に還る」森の妖精の正体は、昔、森の神である金の毛をしたイタチに……。これは美しいお話。
「金色の獣、彼方に向かう」金色の毛をした謎の小動物ルークを巡る、少年少女の悲しいお話。