「金色の獣、彼方に向かう」恒川光太郎。

金色の獣、彼方に向かう

金色の獣、彼方に向かう

中編4つ。大好きな恒川光太郎の不思議世界。面白かった。連作ではないけれど、鼬・樹海つながり。今までの作品と比べると、あっさりしてましたかね。出だしからは想像できない意外な方向にストーリーが転がってるのが面白かった。以下メモ。
「異神千夜」歴史小説・妖怪もの。元寇の時、暗躍したスパイのお話。恐ろしくも切なく悲しい。京極の巷説百物語ふうじゃなかったです?
「風天孔参り」樹海の中で、不意に現れる風天孔に入ると、消えて無くなることができる。。。孔に見せられた人の、これもまた切ないお話。
「森の神、夢に還る」森の妖精の正体は、昔、森の神である金の毛をしたイタチに……。これは美しいお話。
「金色の獣、彼方に向かう」金色の毛をした謎の小動物ルークを巡る、少年少女の悲しいお話。