絲山秋子「海の仙人」。
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/28
- メディア: 単行本
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短い話なのに、長く感じました。河野やかりん、片桐、澤田、なかなか思いは遂げられず苦しく、人の世は厳しい。最後はちょっと明かりが灯った感じ。
ネタばれだけど、過去の姉との近親相姦や再会の場面、恋人かりんの死とか、描写がサラッとしすぎだし、片桐にしても澤田にしても重要登場人物っぽいのにほんのわずかしか語られない。でもそれで充分なんだな、と。後は読み手に委ねられるのが、純文学なのではないでしょうか、とわかったようなことを言ってみる。