伊坂幸太郎「終末のフール」。

終末のフール

終末のフール

つい出来心で、こちらを先に読んでしまいした。嫌がらせじゃないですよ〜。「砂漠」も必ず読みますから。(・・;)
先週、県図書館に行った時、お天気が良くってね、ラウンジで茶を飲んでいたら、ふと眼下に街並みが見えたのよ。ああ、これってもしや、「終末のフール」の舞台かしらん?北部の丘の上、つーかここは以前は山奥?ということは、もっと街に近い観音の辺りか?とか考え出したら、読まずにいられなくなりまして・・・。
で、読んだんですけど、具体的にどことは、私には判らなかったな。
・・・
伊坂さん、最近の作品は、すっかりミステリーではなくなりましたね。この作品は、「人生って何?」という哲学めいたものさえ感じました。


これを読んだ人は、きっと誰でも、自分ならどうする?と考えるはず。
私は、あくまで普通に最後まで生きたい。普段どおりでいいじゃない。人間は所詮いつかは死ぬのだし。
ですから、他の人も今までどおりであって欲しい。暴動無しで頼みます。暴動があったら、私なんかとても生き残れそうもないよ。
とにかく本は読みたいので、図書館・書店はちゃんと営業して欲しいな。わがままですか?


お気に入りは、両親が自殺し、4年かけて父親の蔵書を読みつくし、新しい挑戦を始める「冬眠のガール」と、小惑星衝突の発表後も変わらずトレーニングを続けるキックボクサー苗場に憧れる少年の話「鋼鉄のウール」。

書店のレヴュー

3年後に人類が滅びるとしたら、私は何をしよう?◆「8年後に小惑星が地球に衝突する」と発表されてから5年後の世界。人類に残された時間はあと3年。限られた時を思い思いに過ごす人々を描いた短編連作集。◆混乱・暴動が一段落した、でも終末まではまだ時間がある,という微妙な時期に設定しているのがミソですね。全体的に静かで、落ち着いていて、人類の終焉といってもパニックやアクションは一切ありません。残りの時間をたんたんと生き続ける人々の思いを書くことが、結果的に「あなたはどう生きますか」という問いかけになっている気がします。06/05/09★★★★