三並夏「平成マシンガンズ」。

平成マシンガンズ

平成マシンガンズ

15歳で第42回文藝賞を受賞した作品。
何故か句点が少ない文章は、読みにくいものの、作品自体は悪くないと思いました。
世の中クソばっかだから、夢の中でマシンガンで撃って、心の平安を保って受け流すしかないと。
ま、私の独りよがりの解釈かもしれないけどね。これはこれでいいとしても。
だけど、死神に言わせている「殺したいと思う奴を特別に撃ったりするな、みんな同じだけ撃て」という科白が妙に気にかかる。
これについては、最後の方で意図する所が明らかになるのだけど、要は、誰かを特別に恨んだりするのはカッコ悪い、醜いから止めとけって事?
何といっても15歳の人が書いたのだから、この主人公の思考がリアル中学生だとすると、ちょっと恐ろしい。そこまで悟ってるのか。中学生で既に人生に絶望して諦めてしまうのか。

私は、醜くってもいいから、もっと叫んだり、喚いたり、勝手してもいいんじゃないか、と思うのです。そのほうがわかりやすいし。あ、これも大人の都合か。

でも受け止めるべき大人が不甲斐ないからな〜駄目か、と堂々巡りになってしまうのだった。あああ。
でもって、とうの昔に諦めちゃった大人の方が、夢を捨てないで、、、などとドリーマーになって、それを中学生に説教してうざがられるたりするんだな、きっと。

書店のレヴュー

第42回文藝賞受賞作。史上最年少15歳中学三年生が書いた話題作。◆朋美は中学1年生。学校ではいじめにあい、家では父が愛人を連れ込み、母は逃亡。どこにも居場所がない。夢の中に現れる死神は、朋美にマシンガンを渡し、誰でも平等に撃て、と言う。◆社会と対峙し、子ども時代に決別するストーリー。効果を狙ったのか句点が少ないため読みづらさがあるが、なかなかの出来ではないかと思う。開き直りともいえる結末は、15歳にしては、早くも悟りを得てしまったのか、将来が楽しみ。周囲の大人につぶされませんように。06/06/27★★★