松尾スズキ「クワイエットルームへようこそ」。

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ

第134回芥川賞候補作です。
松尾スズキさんって名前は聞いたことがあったけど良く知らない。顔も何となくしかわからない。俳優さん?
そのぐらいだから、ファンの人に怒られそうだけど自分の中では「芸能人が書いた小説が芥川賞候補になった」という認識でした。
がしかし、これは面白かった。
オーバードーズで胃洗浄の話。ためになります。これ読んだら、ODなんてとてもできません。
あと、K病院の変さ加減が・・・(笑)。こんなに患者同士の付き合いがあるんだろうか。病んでる人、そうは見えない人入り乱れていて、かつよい影響を及ぼしているとはとても思えない(そこが笑えるポイントなんだけど)。杓子定規の医者と看護士もね。本当の精神病院がこうではないことを願います。こんなとこいたら、治るものも治らないじゃん。

書店のレヴュー

冒頭はいきなりグロイ場面。シラフで全裸でステージの上で、ゲロでうがいをする自分。と、それは夢で、気付いたら拘束されて、各種チューブを繋がれていた。そこは精神病棟の隔離室。通称クワイエットルームへようこそ。◆主人公明日香28歳、フリーのライター。酔った勢いの果てのオーバードーズ。自分は正常であることを主張し、無事退院するまでの14日間のお話。他の入院患者との交流、ずさんな病院経営、重いテーマなのに随所に笑いがいっぱい。どうして自分はオーバードーズしてしまったのか。それに気付いた明日香が過去を断ち切り、新しい旅立ちをする清々しい結末も好感が持てました。第134回芥川賞候補作。06/06/28★★★