「チーム・バチスタの栄光」海堂尊。

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

厚生労働省の役人、白鳥さんが、なにやら奥田英朗の伊良部先生を彷彿とさせます。
が、白鳥さんは、単なる天然ボケではなくって、全てが計算づく、ってとこが怖い。
後半は、白鳥さんの独壇場で、前半の雰囲気が損なわれている感じがしないでもないけど、全ては白鳥さんのキャラをより立たせるための土台だったんだろう。
それと、結局一番怪しそうな人が犯人だった、ってのがイマイチかな。
それでも、これがデビュー作、って驚き。文章が大変読みやすいです。
続編も出ているので、そちらも読んでみましょうか。

書店のレヴュー

成功率60%のバチスタ手術(左心室縮小形成術)で100パーセントの成功率を誇る東城大学医学部病院の「チーム・バチスタ」。ところが立て続けに3例の術中死が起こった。病院長に依頼され不定愁訴外来の田口が原因調査を開始する。◆医療物のミステリ。後半に乗り込んでくる厚生労働省のトンデモ役人白鳥が「探偵役」、田口が「助手」。このコンビがいい。聞き手が前半田口、後半白鳥と、計2回行われた全く対照的な事情聴取の中に見え隠れする真実。白鳥が犯人を追い詰める様は狡猾巧妙、手に汗握りました。難しい専門用語も、文中で優しく説明がなされるので、素人でも安心、手術の臨場感もたっぷり。とても新人とは思えない出来映えです。第4回「このミステリーがすごい!」大賞作品。06/11/16★★★★