「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都。

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)

森絵都さんの作品の中で、未読のものをあといくつか読んでおきたいと思っているんですが。ちょっと続けて読むかも。
最近の本は、登場する子供がやけにすれていて、今時の子ってこんなんか?と感じる事もママあるわけだけれど、この本の中のお子さんたちは精神年齢が低い、というか、これがおおよそ普通の子なんじゃなかろうか、と思います。…ウチのお子は、さらに下をいっていますが^^;
最初の話「子供は眠る」が一番好きかな。
毎年夏になると章君の別荘におよばれして楽しく過ごしていた従兄弟同士の男の子5人。主人公の恭は、一番年上で別荘の持ち主で威張っている章君の言いなりになっている自分に疑問を感じてしまう…という展開。
小さい時は、年上の子のいう事は絶対。それが「遠慮」になり「不平不満」になりわだかまりを生んで、、、ま、普通だったらそのままさよなら、ではないですか。多分、私なんか、そうよ。ところがこの本では、ちゃんとフォローされていて、最後に章君と分かり合える。実にいいお話だ。なんとか、ウチの二号に読ませたい。

書店のレヴュー

「アーモンド入りチョコレートのように生きていきなさい」◆ピアノ曲をモチーフに13・14・15歳が主人公の短編が3つ。ただただ毎日楽しくて、一日がとても長かった子ども時代を卒業して、大人になっていく途中の瞬間を、ふわっとすくい上げているような、そんな作品だった。人を疑ったり、信じられなくなったり、無力を感じたりしたとき、それをそのままにしてしまったら、そのときは楽かもしれないが、視野の狭いつまらない人間になってしまうのではないか。大人になってしまった私は、厄介な事から身を避ける事ばかり考えて毎日変わり映えのない人生を送っているのではないか、なんかそんな気にさせられてしまった。ですが、構えなくともすっと読める優しい雰囲気に包まれた作品です。ああ、中学生の頃にこの本を読んでいたらよかったな。07/01/21★★★