「ガラスの麒麟」加納朋子。

ガラスの麒麟 (講談社文庫)

ガラスの麒麟 (講談社文庫)

ひと言でいうと、少女の危うさにうんざりした。もうこりごりだ。
もちろん作品は大変よかった。が、読み終わってすぐに思ったのはそういうこと。
不安定な少女期、は、誰でも通る道かもしれない。私なんてはるか昔。でもこんなにリアルな不安定さを見せつけられるのは、キツイ。それだけ加納さんってすごいってことか。

書店のレヴュー

第48回日本推理作家協会賞受賞作(1995年)。通り魔に殺された17歳の少女、安藤麻衣子。彼女の死の持つ本当の意味が次第に解き明かされていく。◆殺された女子高生を中心に、友人、教師、親など周囲の人々を主人公に据えた短編連作集です。それぞれの話は、養護教諭の神野菜生子が探偵役を務め、人の心の機微を読んで謎を解決するミステリ。神野先生の聡明さ、機転の利く言葉に惹かれました。◆一方で作品全体に漂うどうしようもない暗さは、最後の話「お終いのネメゲトサウルス」に集約されていくのです。麻衣子を殺した犯人と本当の意味がラストで明かされ、少女が抱えていたものに驚かされてしまいました。「少女」の危うさ、壊れやすさが美しく思えるけれど、大変後味が悪いのです。07/07/10★★★★