「片耳うさぎ」大崎梢。

片耳うさぎ

「成風堂シリーズ」の大崎さん、初めてのノンシリーズ。
田舎の広大な敷地を持つ旧家に引っ越してきた小学6年生蔵波奈都。そのお屋敷には「片耳うさぎに気をつけろ」との言伝えがあった。
その言伝えどおり片耳うさぎは現れ、屋敷内に不穏な動きが…。

誰が片耳うさぎなのか？奈津と友人のさゆりが解決に奔走するストーリー。
なかなかに本格ミステリですが、少女の成長物語でもあります。怖がりで泣き虫の奈津が、ラストにはキリっと犯人と向き合う場面はかっこいい。

昔ながらの広いお屋敷の風情がなんともいい味を出していて。
隠し部屋、隠し階段、屋根裏といった子どもの探検心をくすぐる要素がなんともノスタルジー。それと、登場人物全てが優しい。読後感◎。
★★★★