「おそろし」宮部みゆき。

おそろし 三島屋変調百物語事始

大変面白かったです。やはり宮部さんはスゴイ。
伝奇時代物。ホラー色濃い目。
川崎の宿屋の娘おちかが不幸に見舞われ、江戸の叔父の家に身を寄せた。その叔父の計らいで、不思議な体験をした人々の話を聞くことに。
我が身の不幸に囚われ身動きの取れなかったおちかが、他人様の不幸を聞いているうちに、自分の身に起きた出来事に対峙できるようになり、最終的に他の百物語に集った人たちも皆救われる、というストーリー。
百物語部分の面白さはいうまでもないのですが、不幸に見舞われた人々の心理描写の妙はさすがです。特におちか自身が見方を変えられるようになっていく様がよかった。人の話を聞く、というのは学ぶことなのだな、としみじみ思いました。