「儚い羊たちの祝宴」米澤穂信。

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴

大学の読書サークル「バベルの会」は良家の子女が集う。その「バベルの会」繋がりの連作短編集。といっても薄い繋がりですが。でも、どの作品も上流階級の慇懃さが独特な雰囲気で、どことなく斜陽っぽくって、ホラーでミステリアスで、こういうのは好み。
そして、最後にオチをつける、というやり方。どんでん返しってほどでもないんだけど、気が利いていたり、ドキッとさせられたりと様々で、実に堪能いたしました。
以下メモ。
『身内に不幸がありまして』はタイトルそのものがアレなんで、どうなんですか、これは?次々人が死んでいく横溝正史風味。
『北の館の罪人』は、別館に幽閉されているお坊ちゃまのお話。
『山荘秘聞』は、別荘の管理人である有能な使用人のお話で、これが一番好み。オチは笑えた。
『玉野五十鈴の誉れ』お嬢様の転落と復活。ラスト一行が怖ッ!
『儚い羊たちの晩餐』アミルスタン羊か。スタンリイ・エリンの『特別料理』を読んでみたい。