「森に眠る魚」角田光代。

森に眠る魚

森に眠る魚

数年前に東京で起きた、ママ友による幼稚園児殺害の事件をモチーフにしていたのでした。
これは読んでいて辛かった。何度も放置して、また手にとってやっと読み終わりました。辛い、と感じるのは、やはり共感しているからなんだろう、自分はこんなふうにはならないと思っていても、気持ちはヒシヒシと伝わってくるから滅入りました。こうなるもならないも、紙一重なんだろうな。。。多分。

都会で孤独な子育て中の主婦5人が知り合い、和気藹々と交流し友情が芽生えそうな冒頭であったのに、ストーリーが進むにしたがって徐々に壊れていく関係。その境目がどこだったのかはっきりわからない絶妙な流れに感心した。
本当に些細なことなのに、それの積み重ねが、、、ああ、やだ!全く胸糞悪い。やはり女は嫌いだ。そういう女のいやなところの書き方が上手過ぎるよ、角田さん。

どうして自分にないものが欲しくなるんでしょうね?向上心?
いずれにせよ、子どもを使って自分の欲求を満たそうとすることなかれ、ですかね。