「草祭」恒川光太郎。
- 作者: 恒川光太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本
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心の闇が深い人に異界の扉が反応するのだろうか…どれも幸せな展開ではないように感じたけれども「救い」だったんだろうな〜多分。
以下メモ。
「けものはら」
行方不明になった同級生の春を捜して、子どもの頃に迷い込んだけものはらにたどり着いた雄也。春は元の世界には戻れない、という…。春と彼の母親が背負った業が悲しい。
「屋根猩猩」
学校でいじめに悩まされていた藤岡美和は、ある日不思議な少年タカヒロと出会った。タカヒロの住む尾根崎地区の家には屋根に猩猩の置物があって…。欲や業からの解放は人間性を奪うことに思われてしまうのだった。
「くさのゆめがたり」
町が美奥といわれるようになった始まりの話。毒に魅入られた少年テンの悲話。
「天化の宿」
心に苦しみが根を張ってしまった人には「苦解き」が必要だという…。あえて「苦」からの解放を選ばない道もあるのも人としての生き方なのだな〜「天化」というゲームの作りが見事。やってみたい。
「朝の朧町」
空想の町の入り口は本当にあって…。しかるべきときに現れるという美奥行きのトロッコ電車に乗ってしまうことあるかもしれないな。