「アレグリアとは仕事はできない」津村記久子。

アレグリアとは仕事はできない

アレグリアとは仕事はできない

私もアレグリアとは仕事はできないと思いました。


…と、これで感想を終わらせてもいいくらいにアレグリアには腹が立った。ひでーよアレグリア
アレグリアというのは、複合型のプリンターっていうのかな、スキャナ・プリンター・コピー機として使える高性能なやつ。主人公のミノベ(女)は主にコピー機として使っているのだが、高性能がゆえの使いづらさでイライラの毎日。
真実は後に明らかになるけれども、ミノベのイライラの本質はこれとは別にあって、アレグリアへの不満を他者と共有できない点だったりするのだ。
アレグリアは機械だから話が通じないのは当たり前だが、話が通じている人間様とも気持ちまでは共有できない。思惑は人それぞれ、コミュニケーションは本当に難しい。だから日々疲れる。。。ぅぅぅ。


もうひとつのお話「地下鉄の叙事詩」は、地下鉄の同じ車両に乗り合わせた人間たちが個々の視線から見た他者を描いている。ラッシュの地下鉄の不快感がいっぱい、非常に気分が悪かった。そしてこれほどまでに接近した人間同士であっても気持ちはバラバラ、、、当たり前のことなのに、こうして読むとそれもまた寂しい。ああ、こちらの話も疲れるな〜。

津村さんは初読みだったけれど肯ける部分が多かったので、他作品を読むかも。