「シンデレラ・ティース」坂木司。

シンデレラ・ティース (光文社文庫)

シンデレラ・ティース (光文社文庫)

間違いなくいい話だった。いい話すぎて返って嘘臭いけれども、小説の中だけでもいい気持ちになりたいから、満足です。
「ホテル・ジューシー」読了後から早幾年、ついつい目先の本に手を伸ばしてしまい先送りしていましたが、やっと読みました。
あのヒロちゃんとお友達である咲ちゃんのひと夏のアルバイトは歯医者さんの受付。アクティブなヒロちゃんと比べると、なんとも対照的。しかもお母さんの紹介だなんて…正直はじめは「イラッ」ときましたが、育ちのよさもあってかやっぱり憎めない人。
周囲の人々に温かく見守られて次第に成長していく咲ちゃん。最後にはトラウマも克服、恋もゲット、将来の夢も漠然とながら掴みかけ…なんてハッピーなんでしょうね、うらやましいわ。
歯医者さんの薀蓄も勉強になりました。こんな丁寧な歯医者さんなら好きだけど、残念ながら今まで当たったことないなあ。