「宵山万華鏡」森見登美彦。

宵山万華鏡

宵山万華鏡

祇園祭前夜の「宵山」。こちら側とあちら側が入り乱れて、くるくる回る万華鏡のごとく美しく妖しい世界を描いた連作集。
2つ目と3つ目の話は、森見作品によくある馬鹿話。乙川という謎の男が友人に悪戯するために壮大な計画を云々。『夜は短し〜』のゲリラ演劇の続きになるのか、、、実に面白おかしかった。
他の4つは、幻想的な妖しの世界。『宵山様』に連れて行かれそうになったり、エンドレス宵山から出られなくなったり。まるで怪談のよう。
それら全部が、同じ宵山の一夜にあった出来事。祭りの夜の非日常的な雰囲気がどんどん拡大していって、まるで取り込まれそうな感覚がミラクルマジカルでした。金魚と鯉と提灯とガラス玉と林檎飴と…その他諸々がいっぱいごちゃまぜになった表紙カバーも綺麗!まさにこんな感じの不思議世界。
宵山、行ってみたい!本当に赤い浴衣の女の子たちが金魚のようにひらひらと走っているような気がしてきた!