「わくらば追慕抄」朱川湊人。

わくらば追慕抄

わくらば追慕抄

『わくらば日記』の続編。
人や物の『思い出』を見ることができる鈴音と、元気な妹ワッコこと和歌子。昭和30年代の雰囲気が懐かしい。
今回はいきなり「薔薇姫」という宿敵が登場、勝負するのか?と思いましたが、その後あまり登場せず、ぇ?みたいな。それから上条家のお父様も何かあるようです。中途半端に終わっているので、どうやらシリーズ化決定ですか。この本だけではいささか消化不良気味。
そういった「何かが起こりそう」な予感のなか、日常の謎を解き明かす短編集。
一番のお気に入りは、やはり薔薇姫が登場する『澱みに光るもの』。非常にインパクト大。鈴音は前作に比べてずっと強くなりましたが、今後が心配で。早く続編が読みたい。