「ダッシュ!」五十嵐貴久。

ダッシュ!

ダッシュ!

4人の陸上部員と元部員の男子高校生が、あこがれの先輩である「ねーさん」のために奮闘するお話。
まあまあ、面白かったかな…微妙。
ねーさんはとても強くてかっこいい人なんだが、ある出来事のために弱さをさらけ出すことになってしまう、それがあまりにも酷なんだよね。強い人ほど折れるともろいのは仕方がないことなのに、心が読めない男の子たちは、元の「強い人」を求めすぎているんじゃないかと。もっと優しくしてやって欲しい、気持ちを悟って欲しい、と何度も感じてしまった。
まだまだ経験の足りない高校生の思慮のなさ、などを五十嵐さんは書きたかったんだろう、とは思うのだけれどねえ。結果的にはよい方向になったものの、現実には、こんな簡単に心がほぐれるものじゃないような気がする。
そして、クライマックスシーンが「若さゆえの暴走」では済まされない暴挙!これはいかがなものかと。緊迫感を出すためだろうが「爽やか青春物」が台無しって感じでした。