「花と流れ星」道尾秀介。

花と流れ星

花と流れ星

真備シリーズの短編集。…しかしシリーズものと知ったのは読了後で、前作2つは読んでいないorz 「シリーズものは順番に」主義なのになんちゅー不覚。でも読んでなくともOKだったけどね♪何やら濃い目の出来事があったらしい長編2作、これから読みます…多分。
短編集だからか、いつもの道尾さんよりも軽い感じがしました。真備と道尾の会話や道尾の凛への恋心は面白く、テンポもよかった。隠された人間の過去や思いを明らかにするミステリー、堪能しました。
以下メモ。
『流れ星の作り方』
真備と凛、道尾の3人で海辺の町に一泊旅行。夜、散歩に出かけた凛は、窓辺でラジオを聴く少年と出会う…。
私も流れ星を作ってみようとしましたが、これがなかなか…ムズイ。ストーリーは救いがあったようななかったような。少年には幸せになって欲しいし、また、こんな不幸なことが起こらない世の中にであればいいのにと思いました。
『モルグ街の奇術』
バーのカウンターで、奇術師の男に勝負を挑まれた真備と道尾。奇術師が以前自分の右手を消失させたマジックの謎を解く…。
痛い。痛いです。痛いのはダメ。トリックは煙に巻かれたような…。
『オディ&デコ』
子猫を拾った少女2人。うち1人が家に連れ帰ったけれど母親に叱られ、やむなく家の近くのゴミ捨て場に。その後窓から携帯で録った風景に「子猫の霊が映っている」と友達に言われ…。
一番のお気に入り。
道尾君のあっけらかんとした一言が気が利いていました。精神年齢が上がるとこんなことでは済まないことも多々あるだろうけど。少女二人の心の葛藤が幼くって切なくて初々しく、願わくばこのままずっと素直な気持ちでいてくれればいいな。
『箱の中の隼』
新興宗教団体の本部に招かれた道尾(ただし真備の影武者)。そこで起こっている「奇跡」は本当か?
専門的な知識がないとわからないミステリー。知らないことは知らないしどうしようもないなあ〜せめて人の話は鵜呑みにしないように心がけたいものです。(なんのこっちゃ)
『花と水』
事故で孫娘を失った発明家の老人。孫娘に謝りたい、と真備のもとを訪れたけれど…。
ブーケプルズって初めて知った。こんなやり方もあるのですね。
事件のほうは許しがたく、完遂しなくて本当に良かった。本気で死にたいと考える人は他人の将来を慮ったりしないのだろう、悲しいことです。