「ルピナス探偵団の当惑」津原泰水。

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

1994年〜95年に講談社少女小説文庫に書かれた2作と書き下ろしの1作、計3作の中編。なんとな〜く懐かしい雰囲気のする高校生探偵のお話。
個性的なキャラクターたちのやり取りが面白かった!真面目にミステリーとして読むより「高校生たちの楽しいお話、ただし殺人事件つき」ぐらいの気構えがちょうどいい。
主人公の彩子は引っ込み思案だけれど直感が利くタイプ、彩子の片恋相手である祀島くんは雑学好きで観察力抜群、キリエは行動力と妄想力たくましく、摩耶は役に立たないけど美少女(笑)。彼らはルピナス学園に通う高校生。
それと彩子の姉で破天荒な不二子は非常識な警察官、不二子の上司で仕事能力はいまひとつな庚午くん、
以上が主な登場人物で、わいわいやりながら事件の謎を解くストーリー。
『冷えたピザはいかが』
人気エッセイストが殺された事件を追う…いきなり高校生の妹に事件解決を頼む警官の姉、はありえないんだけど、それはフィクションだからね!その違和感を克服して、とても愉快に読めました。(深く考えない!)冷えたピザはまずいですが、においは薄れるのでチーズ嫌いな人でもいけるんじゃないかな。
『ようこそ雪の館へ』
雪山で閉ざされた山荘タイプの事件です。一行が集まって、館に閉じ込められる理由がまたもや無理矢理っぽいですが、それも深く考えない(笑) 祀島くんがかっこええ。
『大女優の右手』
舞台上演中に亡くなった大女優の遺体の右手が切断され持ち去られた…犯行がかなり都合よく行われている気が…気にしないよ!(しつこくてゴメン) 最後の一行がドッキリでした。ああ、そうだったのか、みたいな。