「風の中のマリア」百田尚樹。

風の中のマリア

風の中のマリア

もうこの季節だとスズメバチもいないかな?以前に住んでいた家では、度々スズメバチに侵入されて往生していました。間近で見るとその造詣が美しくって見入ってしまったり…サッシ越しとか蝿タタキで惨殺した後とかですけどね。生き物というよりロボットみたいな感じ。


さてさて。
この小説、主人公はオオスズメバチのマリア。マリアは働きバチ(ワーカー)で、彼女の一生と帝国(巣)の繁栄と滅亡を描いております。
ハチが主役ってどうなの?と思いつつ読み始めたら、意外にもワクワクしながら読めました。登場するハチたちに名前をつけているので、感情移入しやすかったんじゃないかと思いますね。本能の命ずるまま帝国のため闘い続ける戦士マリアが、やけにかっこいい!まるで大河ドラマのよう。
しかも、オオスズメバチのミラクルな生態もわかったし。彼らは自分の遺伝子をより多く残すための効率よいシステムを持っているのだった〜すごいな、生き物って。
それを考えると、人間って、生き物としての何かを失ってるよね〜まあ、引き換えに他のものを得てるんだろうけれどサ。