「架空の球を追う」森絵都。

架空の球を追う

架空の球を追う

短編集。なかなかに味わい深かった。森絵都さんもすっかり大人志向なのかな…いい大人になった女性向けの作品集だな、と思いました。どれも短くてあっさりしてるけれど、いちいち「あああ、そうだな〜」と感慨深く思えるものばかり。良品。
印象に残ったものをメモ。
「銀座か、あるいは新宿か」生きてると色々あるし、変わっていくものもあれば変わらないものあるよね。シミジミ。
「ハチの巣退治」ハチの話を読んだ直後だった故。蝿蚊スプレーでいいんだ、そっか、そっか。
「パパイヤと五家宝」笑えた。あるある。
「夏の森」買ってきたカブトムシを森に放しに行く主婦の話。自由奔放な女になりたい、と書いた作文とカブトムシの思い出の繋がりがよかった。
「彼らが失ったものと失わなかったもの」スペインの空港で土産物のワインを落としてぶちまけてしまった英国人夫妻のかっこよさ。