「冷たい校舎の時は止まる(上)(中)(下)」辻村深月。
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吹雪の学校に閉じ込められ、一人ずつ消えていく、なんて最初はホラーなのかと思ったけれど違ったなあ。
高校3年生という多感な年頃の子どもたちの抱える苦悩をこと細かに。デビュー作だから、書きたいことを目いっぱい書いたらこんだけの長さになってしまいました、って感じなのかもしれない。
それにしてもどの子も痛々しいほどに悩んでいる。
育児放棄の親を持つ梨香以外は、自身の心のうちのあり方ばかり。よくもまあバリエーションを思いつくものだなあ、と感心したり。
「こんな自分が嫌い」と感じるのはこの年齢がピークなのだろうか?進学校で頭のいい子ばかりだから考えに考えすぎているのかもしれない。自分が同じ年代の時、果たしてこれほどまでに自分自身について考えていたかどうか。
これを登場人物たちと同年代の方々が読むと共感するのかな。私にはあまりにも痛ましくって可哀相で、居たたまれなかった。何も考えないのは人間として失格だけど、悩むのは程ほどにして欲しい、と親の立場で思ってしまったのでした。とにかく自殺はイカン。生きてください、と言っておく。
謎解き。自殺した子が誰なのかは正解したものの、後は「なるほど!」といった感じ。特に菅原は…全く気付きませんでした。