「さよならの扉」平安寿子。

さよならの扉

さよならの扉

夫が末期のすい臓がんで余命半年の宣告。現実を理解できなくていつもどおりにしているしかない妻仁恵に、夫卓巳がまさかの浮気告白。夫の今際のきわ、仁恵はとっさに愛人志生子へ電話した…。


久方ぶりの平作品、面白かった〜。
夫の死後、愛人さんとお友達になりたい、と願う妻のお話です。
夫を愛した人同士ならば喪失感を共有できるかもしれない、という期待。一見まともな考えではなさそうで、でも気持ちはわかる気もする。何といっても愛する夫は死んでしまったのだし、いい夫だったのだし、今さら誰かを責めるのも違う気がする。


夫は、どちらも一人きりにしたくなくって、二人を残していったのだな…と、なんとなく思ったのだった。


え〜、しかしながら、読書メーターの皆さんの感想を読むと、仁恵に対して否定的な感想が大半を占めておりまして、どうやら標準的な感想ではないらしい(汗)


…もし、我が身に同じことが起こったら同じようにしたい、と思うかどうかは全く別ですが(笑)