「WILL」本多孝好。
- 作者: 本多孝好
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/10/05
- メディア: 単行本
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あれから7年か…私が読んだのもかれこれ5年ほど前になりまして、記憶もかなり薄らいではおりますが、神田くんも森野もずいぶんと大人になった印象。この7年の間に、二人ともいろいろあったんだな…。ラストは…良かったあ〜どうか幸せになってくれ。
本多さんの文章も、以前と比べて柔らかく暖かみが増してきたような。回りくどくない、ハートフルな話、好きです。
以下、簡単なメモ。
連作短編集で、3つの短編と、プロローグ、エピローグ。短編はどれも救いがあり、エピローグは涙もの。古参の従業員竹井がしぶい。
『空に描く』
森野の高校時の同級生佐伯杏奈の父親が亡くなり、森野の店で葬儀を請け負った。その後、何者かから死んだ父親が書いた水彩画が杏奈の元に届けられ、家族は動揺する…。
人はいつか死ぬ、別れはいつくるかわからない。大事な人の死後、語られなかった真実のために疑心暗鬼になる家族が悲しい。
『爪痕』
ある葬儀の後、店に故人の愛人という人物が現れ、葬儀をやり直したい、と言う…。
これは、厳しいなあ。なにげない一言がこころない一言になってしまう瞬間が怖かった。でも、突き詰めれば誰も傷つかない言葉なんてないんじゃないだろうか。無口が一番、とつくづく思ってしまった。
『想い人』
以前死んだ夫の葬儀を森野の店に頼んだ、というご夫人が現れ話を聞くと、死んだ夫の生まれ変わりが家に来る、という…。
これは、、、純愛物語。カワイイ。桑田のバンド仲間も大好きだ。