「岸辺の旅」湯本香樹実。

岸辺の旅

岸辺の旅

深夜、消息不明の夫が好きだったゴマだんごを作っていたら、台所の隅に夫が現れて自分はもう死んでいるのだと言う。二人は一緒に旅に出ることに…。
大切な人を失って深い「喪失感」に囚われているときの気持ちが痛い。結局どうしたいのか、どうすればいいのかは、死者と生者一対一の問題で、誰も入り込めはしない、と感じました。死者が訪ねてきてくれたこの主人公は幸福じゃないか。


冒頭のゴマだんごがとても美味しそうだったので、自分でもゴマすってみました、という余談。