「トゥインクル・ボーイ」乃南アサ。

トゥインクル・ボーイ (新潮文庫)

トゥインクル・ボーイ (新潮文庫)

せいいちさんにお勧めいただいた本、読み終わりました。ありがとうございました、大変面白く読めました。
子どもが主役の短編が7つ。どれもが子どもらしい発想から恐ろしいことをいとも簡単にやってしまう、という何とも怖いお話。救いもなく苦い、苦すぎる。
子どもはみんな純真無垢とは思わないけれど、生まれた当初はみんな無垢、だと私は思っている。真っ白だから何色にも染まりやすいんじゃないかな〜だから油断もすきもなく、親も知らないうちに何かに染まっちゃってるかもしれない。そんなことを考えるとちょっと怖い。子どもを責任持って育てるのは大変そうだ…この作品のお子たちは、家庭環境になんらかの問題があるケースなのだけれど、だからといってウチは大丈夫といえるだろうか?「全く品行方正の親」である自信は正直ないなあ(汗) まあ、既にいい加減育っちゃった後だから手遅れ、とも言えるが(笑) 小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、大切なことは早目に教えておくのがいいと思います。


どれも衝撃的だったけど、そのなかでも最後のお話「泡」が一番ショックだった。一人息子の教育に執着し夫を蔑む妻は最悪。そんな中、父親は爽やかで息子に理解があって優しく、これは救いがあるのか?と思いきや、なんてこったい!息子の純真さを利用するとは… 大人の世界は欺瞞に満ちて汚くてガッカリ。(以上ネタバレなので白字) 私は頑張って出来る限り品行方正目指しますよ。