「オープン・セサミ」久保寺健彦。

オープン・セサミ

オープン・セサミ

20代、30代、40代、50代、60代、70代のいい歳した大人たちが体験した「初めて」物語。短編集。
どれもほのぼのと気持ちのいい話ばかりだった〜この作家さん、日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞のときから気になってたけど初読み。なかなか良いんじゃないでしょうか。
20代の新任教師は初めてのクラス担任で戸惑い、(酒は飲んでも飲まれるな、みたいな)
30代のお父さんは小さな娘が初めて一人のおでかけをするのに気を揉め、(まあ、よくある話だけれど微笑ましく)
40代のお母さんは息子の代理で初めてリレーのアンカーになり、(日なたで堂々と生きるために)
50代のサラリーマンはもしかして「初恋」?(これは…ウケタ!)
60代の主婦は初めてクマに出会い、(窮地に陥ると人間どうなるかわからないね)
70代の大伯父は初めて…。(切なくもあり面白くもあり)


カナタ的には後半の2作が良かった。年取ると初めて○○することもなくなりそうで、でもそうじゃないんだ。感慨深かった。それと50代のアレは…同い年の同僚に友情を感じるオトーサンのお話だけど微妙に友情とは違う感じがちょっと笑えた。まあ、そういうのもいいんじゃないのかしら。