「カルテット!」鬼塚忠。

カルテット!

カルテット!

リストラされた父親、息子の音楽教育に情熱を燃やす母親、疎外感を感じる娘、そして音楽の才能がありながら家庭内で肩身が狭く楽しめない息子。父親に母親が離婚を切り出したらしい、ところからお話は始まり…。


音楽を介して家族再生のお話。予定調和、安心して読めた作品でした。
家族のため身を粉にして働いてきたのにリストラされ、再就職もままならず、妻には「今まで家庭を顧みなかった」と責められ。まあ夫婦仲の亀裂の原因は多々あるが、これではあまりにお父さんが非常に気の毒で…。ここまですれ違ってしまっては今さら手遅れなのかもしれないが、この人たちはどうしてもっと相互理解の努力をしないんだろう?わからん。
そして音楽の登場であります。音楽が家庭の危機を救うのだあ〜救いの手がかりが身近にあってよかったヨ、お父さん。(そういえば、読んでいる間ずっと私はもっぱらお父さんの味方だったなあ。)


しかしながら、おなじ音楽物のお話「船に乗れ!」を最近読んだ身としては、この単純でベタなお話、厚さも内容も薄い。。。濃い話ばかりがいい作品とは限らないけれど、もう少し書き込んでも良かったんじゃないかな〜と感じました。ちょっと残念。