「流星さがし」柴田よしき。

流星さがし

流星さがし

「桜さがし」の登場人物のうちのひとり成瀬歌義が主人公の短編集。
前作では生きるのに四苦八苦していた歌やんだったが、晴れて弁護士となり、京都の人権派弁護士事務所から東京の大手弁護士事務所へ勉強しに来ている…という設定。
元々歌やんがわかりやすい性格、ということもあり、わかりやすいストーリーで面白かった。世間は歌やんほど単純ではなく人の心は繊細複雑。人を知り、弁護士としての幅を広げていく歌やん、これからもっともっと成長するんだろうな、と思わせる期待が持てた。誰が見ても同情するような依頼人の味方をする弁護士ではだめだってこと、正義の味方ではなく人間の味方の弁護士であること。ちょっとジーンと来た。弁護士さんがみんなこんなだったら心強いな〜お世話にならずに済むならそのほうがいいんですが。
しっかし、そんなに東京のことを悪く言われるたびにムカッときた。ウチとこなんてもっと悪く言われそうな…。京都が好きなのはいいけど、もっとグローバルでお願いします。