「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

小学4年生のアオヤマ君はかしこい。ノートを手放さすいつもいろんな研究をしている。ある日アオヤマ君の住む町に多数のペンギンが現れて…。


理屈っぽくって生意気で、おっぱいおっぱい、って、いつもの腐れ大学生が小さくなっただけかと思ったらそうではなかった。ボーイミーツお姉さん。春から夏にかけてのキラキラした季節の中、冒険とお姉さんとの思い出…切ない恋の物語だった。そこかしこに表れる子どもらしい考え方も初々しくって可愛らしい。モリミーもこんなお話が書けるのですね。とても新鮮だった。
最後のお父さんとの会話がよかった。理不尽なことでも見て知らなければならないときがくるんだ。何も知らないでいてはだめなんだ。アオヤマ君はきっといつかお姉さんに再会できる。腐れ大学生にはならない。そんなふうに思えるラストシーンが清々しくって好き。