「ゆんでめて」畠中恵。

ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

ゆんでめて しゃばけシリーズ 9

しゃばけシリーズの、え〜っと、9作目。今回は、ちょっと驚きの仕掛けになってた。弓手と馬手、どちらの道を選んだかによって異なる未来のお話、なんとSFだ〜。妖や神様が出てくる作品だからなんでもあっていいんだろうが、微妙に卑怯な気がする。でもこういうネタは1回しか使えないから、ま、いっか。
短編が4つのあと、まとめの種明かしが1つ。悲しいことがあったけど、新キャラが良かったし、恋バナや花見も楽しそうで面白かった。若だんなもちょっと逞しくなった気がしたエピソードの数々、大変面白うございました。
しかし。
イマイチ腑に落ちなかった。道を選んだのは若だんなで、彼の将来は彼に責任があるのではないか?それをあ〜んな風に他者の落ち度にしてしまうなんて、作者は若だんなを甘やかしすぎではないか?それに後悔してもやり直しがきかないのが人生だし、後悔して学ぶものがあるはずで、実際……う〜ん、ネタバレで書けない。とにかく、色々残念だった。周囲が寄ってたかって若だんなを辛い目に合わせないようにしている展開は毎度のことで、それが定番の癒し系シリーズとはいえ、ずっとこのままの弱い若だんなはイヤだなあ。
でも、人生なんてどんな道を選んでも結果はたいして変わらないだろうから、作者にはそのあたりを是非酌んでいただきたい、と思ったのだった。