「つばさものがたり」雫井脩介。

つばさものがたり

つばさものがたり

東京で働く君川小麦はパティシエール。家族に言えない秘密を抱えていた。決心して北伊豆の実家に戻り、亡くなった父の夢だった洋菓子店を開くことに。しかし…。


宣伝文句が「どうしても泣けてしまう」ということだったので、久方ぶりに雫井脩介さんの作品を読んでみました。
前半は困難の連続でいたたまれず、読み続けるのも辛かったですが、後半からいい感じに盛り上がって一気読み、ラストはしんみりとしていい話でした。
が。
ぶっちゃけ私は泣けませんでした。
これは不治の病のお話。この手の小説で今まで何度泣かされたかわからないですが、近頃はリアルに勝るものはない、とつくづく思うようになったので(単に歳とっただけか)、小説では泣けなくなったのかも。
だいたいさ〜家族に言えないってアンタ、そりゃないよ(〜と何回もつっこんだ私)。しかも気付かない家族もどーよ?みたいな。まあ最後はキチンと互いを分かり合うのだけれども。
と、不平不満を言ってみましたが、いかに生きるか?を考えさせられるいい話であることには違いありません。
ケーキ屋の話なのでケーキがすんごく美味しそうで良かったです。
それと、天使や妖精が登場するファンタジーでもあるんだった…目に見えないものを信じられないのはつまらないね。