「僕は長い昼と長い夜を過ごす」小路幸也。

50時間起きて20時間眠る、という睡眠障害を抱えた森田明二(メイジ)26歳青年が主人公。職業はゲームプランナー。幼い頃母親は失踪、15年前に父親を殺された過去を持つ。特殊な睡眠サイクルを利用したバイトの最中、ひょんなことから2億円を拾ってしまい、そのせいで色々な人に追いかけられることになり…。


面白かった!
傍からみればとんでもなく不幸な身の上なメイジくんなのに、彼自身はそれを受け入れていて実に自然体、逞しく賢くて能天気な青年、不測の事態でも冷静に物事を考えられる好青年で愛着を感じました。
脇役の方々は個性豊かで、例によって例の如く善人ばかり。メイジに協力を惜しまない人たちが次々現れて幸せな気持ちに。
特に謎の人物「種苗屋」のナタネさんが強烈に印象的。彼とメイジの関係が明かされた場面でウルッときました。
窮地に陥っても諦めず「みんなが幸せになる方法」を探す…都合よく話が進み過ぎても嫌気がささないのが小路さんの作品のいいところですね〜定期的に読むと癒されて重宝します。