「さびしい女神―僕僕先生」仁木英之。

さびしい女神―僕僕先生

さびしい女神―僕僕先生

僕僕先生御一行が訪れた苗族の村はひどい旱魃に見舞われていた。原因は旱の神様の封印が解かれたため。僕僕・王弁・劉欣それぞれに解決方法を探すが…。


シリーズ4作目、今作も大変面白うございました。
今度は王弁くんが大活躍の巻。僕僕先生の過去もチラッと見えたり、舞台が神々の国まで行っちゃって、スケールがでかいのも驚き。
仙人や神々は尋常じゃない力や知恵知識を持っていて、そういう方々にしてみれば何の能力もない人間なんてちっぽけで愚かで、取るに足らない存在なんだろうなあ〜。
そんなちっぽけな人間代表の王弁くんに、何故僕僕は特別に目をかけるのか。今回僕僕の気持ちがわかった気がしました。
害をもたらすものは排除しなければならない。巨大な力を持つものは責任を負わなければならない。それが大人の道理であることは間違いないのだけれど。
我らの王弁くんは違っていた…子どもの理屈だった。師匠に逆らってまで子どもの理屈を通してしまった。いい大人なのにどこまでも純粋な子どもの心のままだった。もう、絶滅危惧種並みっ。そんな王弁くんに僕僕はラブなんだなあぁぁ。
結末は厳しい現実であったけど、それでもいつまでも純な王弁くんでいて欲しいな。