「僕たちの旅の話をしよう」小路幸也。

マンション60階の部屋に住む少年は、誰よりも良く見える目を持っている。かつて心臓の病気で死の淵にあった少年は、誰よりも良く聞こえる耳を持っている。母親と二人で暮らす少女は、人の感情を嗅ぎ取る鼻を持っている。
そんな3人が赤い風船につけて飛んできた手紙を拾って…。


またしてもいい話だった、小路さんの作品。
夏休みに田舎に住んでいる文通相手の女の子のところへ遊びに行きたい3人を、家庭の事情の有象無象が邪魔をする…大人は「良かれ」と思ってやっているから、ままあることだね。
子どもは、大人の都合に振り回されるわ、できないことは多いわ、で不自由。でも子どもだからできることもある。
かといって、大人になったら何でも自由、ってわけじゃない。大人になったらできることもある反面、しばられる事も多いよね、うん、しょうがないことだ。
でも、思いつきと工夫と努力で何とかしようと思えば何とかなるかもしれないし、何ともならないと諦めれば何もできない。
とりとめがなくなっちゃったけど、そういうお話。夏休みは冒険が似合うが、いかんせん季節はずれだったぜ。
子どもらのチャレンジをさりげなくサポートする大人がカッコよかった。そんな大人でありたい。