「ヤングアダルトパパ」山本幸久。

ヤングアダルト パパ

ヤングアダルト パパ

中学生のパパ、のお話。ありえなくもない設定だなと思いました。
中学生の静雄が生後5ヶ月の優作の育児に奮戦。山本さんの作風で静雄が飄々と描かれているのに係わらず、全体に悲壮感が漂っている感じがして重苦しかった。
親なら子に愛情をかけるのは当たり前、ということを自ら証明するかのように、必死に優作を愛する静雄が痛々しくてしょうがない。誰かに愛されたい静雄は、両親に、花音(優作の母親)に、泣いて縋って「愛して欲しい」と訴えるべきだったんじゃなかろうか。愛された経験がなかったために方法がわからなかったのか?だとしても静雄には何も落ち度はなく、無責任な大人たちに腹が立つだけなんだけど。
このあと静雄と優作がどうなるのか気になります。二人が引き離されることは避けられないのかなあ…二人一緒に暮らせればいいのになあ。ためいきばかり残ります。